山陰新幹線建設促進期成同盟会の試算で 工費4兆円との話ですが、一応基本計画線の端くれなので一通り計算してみました。…いや、試算したら 他の手段で実質代替可能どころか害の方が大きい代物らしいという結果が出ましたけど(汗)。 |
○山陰新幹線 ●ルート ●輸送力 ●車輌 ●駅詳細 ●基準運転時分・所要時分 ●運行ダイヤ ○中国横断新幹線 ●ルート ●輸送力 ●車輌 ●駅詳細 ●基準運転時分・所要時分 ●運行ダイヤ ●比較 ●総括 |
●車輌 仮に営業を開始するとしても数十年後の事になると思われるので、短編成化された700系とする。制御電動車 改造に際しての機器スペースの問題を考えるとややこしくなるので、輸送力過剰を承知の上で便宜的に8両編成とした。 ○700系3000代8連 ←博 多 新大阪→
性能は変更無し。 |
●駅詳細 全駅既存の在来線駅に併設。 配線は鳥取、松江、益田の3駅が国鉄型2面3線、他は対向式2面2線(出雲市には片渡り線設置)。一応 通過列車を想定して対向式ホームの各駅には可動柵を設置する。 |
●基準運転時分・所要時分 最高速度は整備新幹線各線の例に従い頭打ち260km/hとする。 停車時分は鳥取、松江、益田の3駅が1分30秒、他は1分。基準時分は余裕時分込み。
所要時間を見れば、十分に意味のあるものにも見えるだろう。しかし…。 |
●運行ダイヤ 益田以東で1本/時、益田以西は4時間に1本とする。この為、益田以西では快速運転は行わない。 |
各停型:白実線(細)── | 速達型:赤実線(太)━━ |
利便性は山陰全体に渡って著しく向上するだろう。 反面、和田山〜伯耆大山間199.2km若しくは城崎〜伯耆大山間160.2km並びに出雲市〜幡生 間289.2kmが経営分離されることも想像に難くない。 …少なくとも乗ってみた限りではローカル輸送のみを取り出せば青い森鉄道、いわて 銀河鉄道、肥薩おれんじ鉄道等と肩を並べるほどに困難な状況だと思うが、果たして 三セク化で長期間の維持は可能なのだろうか? また、智頭急行の経営も極めて苦しくなることが容易に予想できる。公費補填か 鉄道廃止か、さもなくば相当レベルの事業整理か、いずれにせよ京阪神対鳥取東部の 特急輸送が消滅した後まで現状の経営を続けられないのは明らかだろう。 |
●輸送力 6両編成の特急列車が毎時1本行き交う線区であり、先例に従うと相当量の潜在需要が 期待できるので8両編成を2本/時とする。 |
●車輌 前述の山陰新幹線車輌に同じく、700系8連とする。 |
●基準運転時分・所要時分 岡山以西の最高速度は整備新幹線各線の例に従い頭打ち260km/hとする。 停車時分は各駅1分、基準時分は余裕時分込み(岡山以西各駅間1分)。
…あくまで直接効果だけを見た場合の話だが。 |
博多のぞみ西日本車:青実線(太)━━ | 博多のぞみ東海車:紫実線(太)━━ |
その他のぞみ:赤実線(太)━━ | ひかり:白実線(太)━━ |
こだま:白実線(細)── | 中国横断新幹線:黄実線(細)── |
現行やくも:赤実線(細)── |
これで需要はほぼ賄えるだろう。 経営分離対象は倉敷〜伯耆大山間138.4kmとなるだろうか。山岳路線である伯備線を維持するのは 少々骨だろうと思うが、山陰本線の殆どを切り離すよりは地元負担を抑えられる筈である。 |
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※1:現存新幹線―新設新幹線の乗り継ぎ時分は5分、新設新幹線―在来線は3分、現存新幹線―在来線は 8分とした。但し中国横断新幹線については前掲のダイヤに準ずる。 ※2:山陽新幹線西明石以西でのJR西日本受持ち列車360km/h運転、新神戸及び新山口停車を前提とする。 ※3:現行以外の東京〜新大阪間所要時分は2時間30分とする。 ※4:伯備線備中高梁〜新見間短絡単線新線160km/h(推定建設費4〜500億・時短効果15分)、山陰本線 伯耆大山〜出雲市間130km/h対応及び伯備線一線スルー化(推定工費30〜40億・時短効果8分)、 因美線智頭〜郡家間短絡非電化単線新線130km/h(推定建設費3〜400億・時短効果7分)、福知山線 新三田〜福知山間120km/h対応並びに線内車体傾斜対応及びカント限界向上(推定工費30〜35億・ 時短効果7分)、山陰本線福知山〜和田山間車体傾斜対応(推定工費3〜4億・時短効果4分)を想定。 推定費用計800〜1000億円。 ※5:※4に加え智頭急行及び因美線智頭〜鳥取間電化160km/h対応(推定工費300〜350億・時短効果9分)、 及び京都〜姫路間140km/h対応(新快速運行区間に付き工費無視・時短効果7分)、山陰本線鳥取〜 伯耆大山間電化(推定工費150〜200億・比較区間外に付き時短効果省略)、山口線120km/h対応及び 車体傾斜対応及び自動閉塞化(推定工費60〜70億円・時短効果18分)。 推定費用計1300〜1600億円。 (つまり在来線の範囲内での限界強化+最小限の引き直し。これ以上は相応の大予算が必要) ※6:※5から伯備線相当部分を削除。在来線部分推定費用計800〜1000億円。 ※7:※6から智頭急行関連部分及び新幹線並行部分を削除。在来線部分推定費用計90〜110億円、追加 新幹線建設費用推定6〜9000億円(125km、50〜70億円/kmでの値)。 |