羽越本線・奥羽北線抜本高速化(1/2頁)
 羽越本線高速化検討委員会報告のレベルでは高速化こそ図られるものの現状に毛が生えた程度の ものであり、数十年以上の長期に渡って変わらず競争力を維持できるものかと考えると疑問を 抱かざるを得ません。また、先の報告書に沿う形であれば気象現象に対する備えは僅かなものに 留まり、大差ない不安要素を抱えたままとなることでしょう。
 そこで伯備線の例と同様に、羽越新幹線という基本計画線の存在を利用し、新幹線鉄道規格 新線(在来線運用時の新線区間)と新幹線直通線(新幹線運用時の旧線区間)を組み合わせたものを 考えてみました。
 但し、今回の線区は需要以前の政策的な判断が混じっています。そのため、一般的な状況とは 懸け離れた部分が多々あることと思いますが、この点については御承知あれ。

概要
新線・改良線ルート
 新潟〜新発田間 ○新発田〜村上間 ○村上〜鶴岡間 ○鶴岡〜酒田間
 ○酒田〜秋田間 ○秋田〜東能代間 ○東能代〜大鰐温泉間
 ○大鰐温泉〜弘前間
 ○弘前〜青森間

基準運転時分
 新潟〜村上間 ○村上〜鶴岡間 ○鶴岡〜酒田間 ○酒田〜秋田間
 ○秋田〜東能代間 ○東能代〜大鰐温泉間 ○大鰐温泉〜弘前間
 ○弘前〜青森間
運行ダイヤ案
所要時分変化等

総括

(抹消線部後日追加予定)



●概要
 前述の通り、新線付け替えの手段として新幹線鉄道規格新線を利用する。
 新幹線鉄道規格新線はともかく、少なくとも新幹線それ自体は新規建設線であることまでをも 求められてはいない。従って、現行線の良線形区間を適宜活用する。
 なお具体的な方針は、改良レベルに応じて完全新線区間、部分新線区間、線形改良区間の3通りに分類して 定めるものとする。

○完全新線区間
 完全新線区間に於いては、以下の条件を満たすものとする。
  • 最小曲線半径は本線原則2500m。本線を除くホームに沿う曲線1000m、退避線等400m。
  • 貨物走行を考慮して最急勾配25‰。駅部分の勾配は3‰以内。
  • 軌道中心間隔は4300mm以上。
  • 縦曲線半径10000m以上。
  • 退避駅以外では通過線を設けず、特急停車駅はホームドアで対処。地元利用の為の棒線駅は ほくほく線同様に通過前後にはホームから旅客を締め出す方向で。モニタで遠隔管理を行うことも可能だろう。
  • 棒線駅でもホームの縦深は5m以上が求められるので、できるだけ延長を縮めた上でスペースを 待合室等に有効活用。尤も、原則締め出しなら安全性の証明が可能なので5mも必要ない可能性はある。
  • 当然、踏切は設けない。
  • 走行抵抗、騒音対策等を考慮して路盤は原則複線とする。
  • 新在併用を前提とするため、カントは軌間1067mmに於いて105mm:1435mmに於いて141mm(算定用140mm)とする。
  • 枕木またはスラブは改軌の際の支障及び費用を極力抑えるため、海峡線同様に三線軌用のものを使用する。

 この路線の、長距離輸送経路としての主たる役割は安定した貨物輸送にあり、輸送動向に照らしても 旅客輸送に然程の需要があるとは考え難い。また、海岸線に於いては曲線半径と集落分布への追随性が 強く関連しているため、曲線半径を抑えることには利便性の面からも相応の意味を持つ区間が存在する。
 更に、こうした路線に於いては線形の調整による建設費の抑制も、状況に応じて容認できるものと考えられる。
 従って、名目上の設計速度は200〜210km/h程度に取り、一応の目安として「200km/h連続走行が可能な 線形」を考えて、0.056G、標準軌C110車体傾斜なしで乗り心地限界が205km/hとなるR2500を原則の基準に 置くものとする。但し、既存駅からの距離が大きく変わる、またはコストが明らかに増加する等の問題がなく 建設が可能な区間であれば、R4000でもルートを引いた上でR2500の場合と比較検討を行うものとする。


○部分新線区間
 部分新線区間に於いては、以下の範囲で条件を完全新線区間から変更するものとする。
  • 最小曲線半径は本線原則2500m、例外1600m(但し小岩川〜あつみ温泉間は更に小さく)。
  • 現行線流用部分の縦曲線半径は最小2000m以上。但し、可能な限り10000m以上とするように努める。
  • 踏切は極力排除。但し、最高160km/hやむなしとする区間に於いては対策の上で存続可。
  • 走行抵抗、騒音対策等を考慮して新線の路盤は原則複線とする。

 基本的に再造線として、現行線はそれ自体を活用するのではなくトレースするルートの基礎と して、また駅等の設備の流用を図ることを基本とする。
 また用地買収の都合上、駅等の為に必要な場合以外はできるだけ集落を回避する。
 既設線流用部分(将来200km/h以上に達した際に新幹線鉄道直通線となり得る部分)は可能な範囲で建築限界を 拡大し、できるだけ踏切を排除しておくことが望ましい。その際は、可能ならば立体交差事業の活用で 排除してしまうのが効率的だろう。
 建築限界・構造等はAC25kVで取り、架線等の電気設備はAC区間AC25kV対応、DC区間はひとまずDC1500Vの ままとしておく。
 
 最高速度の目標はひとまず160km/hとする。完全立体化可能なら160km/h超も狙えるかも知れない が、一方200km/h以上には相応の設備が必要である。また現行実例と法令等に鑑みれば、求められる 保安設備の下限は
  130km/h超160km/h:ATS-P&地上信号(高速進行対応)
  160km/h超:ATC(またはそのサブセット)&車上信号
 と考えられる。現行規則は、少なくとも保安設備の要求に於いては暗に「最高速度は160km/h以下 または200km/h以上のいずれかにすること」と求めているようなものである。
 ここではひとまず、160km/h以下であれば高速進行対応の地上信号式を選択することとしておく。
 因みにこれはあくまで保安基準上の問題であって、最高速度を160km/h超200km/h未満にする必要性が 特例法関連以外に存在しないわけではない。200km/h未満であれば、標準軌にすることが求められないので 改軌または三線軌化をせずに済むという利点がある。


○線形改良区間
 線形改良区間に於いては、以下の範囲で条件を完全新線区間から変更するものとする。
  • 本線最小曲線半径は在来線のまま160mとする。但し事業の成否に関わる、または難工事を伴う等の 大きな支障のない範囲で、できるだけ大きく取るものとする。本線を除くホームに沿う曲線400m、退避 線等160m。
  • 貨物走行を考慮して最急勾配25‰。駅部分の勾配は3‰以内。
  • 軌道中心間隔は3500mm以上。但し、可能な限り4300mm以上とするように努める。
  • 縦曲線半径2000m以上。但し、可能な限り10000m以上とするように努める。
  • 原則、駅配線は現状のままで十分とする。
    但し、一線スルー化を可能な限り行い、130km/h超での特急通過駅にはホーム柵等を設置。地元利用の 為の棒線駅は、ほくほく線同様に通過前後にはホームから旅客を締め出す方向で運用。
  • 踏切は可能な限り排除。
  • 路盤は複線が望ましいが、超高速走行は考慮しないので費用が嵩む区間は単線でも良い。
  • この区間については新在併用を想定しないが、カントは可能な限り引き上げる。
    無論、上限は軌間1067mmに於いて105mm:1435mmに於いて141mm(算定用140mm)である。
  • この区間については新幹線の改築まで考慮しないので、枕木またはスラブは狭軌用でよい。
    無論、一度枕木から敷き直す必要があり、且つ将来新幹線を通すことも可能なルート上であれば この限りではない。

 立体交差化事業の適用を試みてもなお踏切の立体化が困難であれば、130km/hに留めることも やむを得ない。但し、大型車排除等が可能なら160km/hまで可能と考えられる。この場合は、対策 費(事業者負担分)と効果のバランスを見ながら判断することとなるだろう。


 特急用車輌は、
(1)E653系で140km/h運転を行う場合
(2)DC1500Vに於いて先の伯備線の件の特急同等性能(383系改)、AC20kVに於いて789系0代3M2T同等 として160km/h運転を行う場合
(3)同じくAC区間内に於いて200km/h運転を行う場合
  DC区間に於いて(2)に同じく、AC区間に於いて定引張力を88km/hまで拡大&以降定出力でA94 ※1※2
 の3例に分けて考える。
 また在来線ではあるが、特急の算定上の常用減速性能は新幹線の場合と同様に設定する。E653系 及び789系であれば設計速度内に於いて新幹線の常用最大程度は確保できているので、特段の問題は ないだろう。
 なお、いずれも車体傾斜は考慮しない。
  ※1:いざ計算してみたところ、789系同等性能ではトンネル区間200km/h安定走行が 難しかったのでAC区間について変更した。
  ※2:N-MT731は230kWであり、MT比4:1以上ならば狭軌でも185kW全Mに並ぶことが できる。その上25m級対20m級という差と
     車体幅が故に構造の違いを差し引いてもフル規格車輌よりは当然に軽量であり、狭軌車輌が 出力重量比で0系に並ぶことは
     可能といえる。


 普通用車輌は狭軌であれば何ら考慮する必要はないが、仮に標準軌開業した場合には、701系5000代に ステップ装備というお手軽仕様でお茶を濁すことにしてAC区間(酒田以北)の性能計算は701系のもので 共通化する。仮に標準軌車輌が乗り入れた場合にも、狭軌車輌が貨物のみであれば、左右への偏倚が あってもホームとの位置関係を気にする必要はないからである。
 なお、酒田以南についてはこれを行わず、村上〜酒田間はキハ110系、新潟〜村上間は115系で計算するに 留めておく。

 貨物については、EF81ではなく
(1)EF510を牽引機としてコキ100系列のみからなる1000t列車牽引
(2)EF200フルノッチ相当の性能として被牽引側同じ
 の2例を取り、いずれも最高110km/h(計算105km/h)とする。


●ルート
 対象区間が非常に長いので、特徴が異なる区間毎に分割する。更に各々詳細までは 記さず、基本方針と概要のみを記すに留めておくものとする。

○新潟〜新発田間
・基本方針
 市街地または住宅地の只中を貫く部分が多く、高速走行の為の新たな用地確保は困難である。また、橋上 駅舎だらけで更に上を跨る幹線道路も数あるため、連続立体交差化事業として線形改良を行うことも 難しい。従って、無理のない範囲で踏切統廃合と若干の線形改良を行うに留める。
 所要時分減に直接は寄与しないが、市街地外の地上では防風柵の設置も積極的にすべきだろう。
 目標速度:130〜160km/h:C105可能な曲線でR900〜1300
 曲線半径目安:R1000(狭軌C105に於いて制限が 車体傾斜なし140km/h、1度傾斜150km/h、2度傾斜155km/h)

・概要
 新潟〜東新潟間については、短縮効果と費用があまりに懸け離れているので現在事業中の 連続立体交差化事業以上には弄らない。
 先の白新線高速化により特急通過駅の一線スルー化は既に成されたものとして、主に線形改良を 行うものとする。
 但し、新潟近郊市街地内での線形改良には相当の困難を伴うことが予想される。従って、曲線改良が 市街地内の用地買収に繋がる黒山までは線形を改良しないものとする。  具体的には、佐々木付近のR400をR1000に改良するのみである。
 新発田上り方1.5km地点に南新発田信号場を設置する。とはいっても交換設備などを置くのではなく 信号回路上の存在であり、130km/h超運転を許可するか否かの分界点に過ぎない。あくまで、境界地点が 制度上の駅であることを求められる可能性に鑑みての措置である。

 また、新潟近郊市街地内での踏切統廃合にも相当の困難を伴うことが予想される。よって、最高速度は 最大想定でも新潟〜黒山間及び南新発田(信)〜新発田間130km/h、黒山〜南新発田(信)間160km/hとする。



○新発田〜村上間
・基本方針
 比較的好線形であり、線形の問題だけなら数箇所の、それも元々曲線半径のそう小さくない所を 改良すれば済む。
 可能なら踏切撤去で160km/h化。その際、大型車が通る所は全て道路側を立体化することが 求められる。踏切対策法上は国道の当該区間の改築を伴えば立体化事業の適用対象となるが、はてさて これは現実問題として可能かどうか。
 目標速度:160km/h
 曲線半径目安:R1200(狭軌C105に於いて制限が 車体傾斜なし155km/h、1度傾斜165km/h、2度傾斜170km/h、標準軌C140に於いて 傾斜なし160km/h、1度傾斜170km/h、2度傾斜175km/h)

・概要
 先の羽越本線高速化により特急通過駅の分岐器高速化は既に成されたものとして、主に両開き分岐器が 本線に残る駅の一線スルー化(単複線境界駅以外)と線形改良を行うものとする。  カントは極力105mmに嵩上げする。

 線形改良については中条〜平木田間の胎内川橋梁前後にあるS字R1000をR1200に、坂町〜平林間の荒川橋梁南側に あるR1000をR1400に緩和するものとする。一方村上付近のR604は、基本的に旅客全停車と考えるべき駅に近いことと 市街地付近であることよりそのままとする。
 これら以外に、新発田〜村上間にR1400未満の曲線は存在しない。

 ところで、容易には踏切を排除し切れないが旅客列車の速度が十分に乗らない新発田・村上両市街地 付近を130km/h制限として、その他の区間に於いて踏切統廃合、大型車排除、障害検知装置設置、ATS-P化及び 高速進行対応を行うことによって、少なくとも文言上は160km/h化の妨げとなる規制をクリアできる。
 また、新発田下り方1km地点に北新発田信号場、村上上り方1.8km地点に南村上信号場を設置する。設置 理由は、西新発田〜新発田間の南新発田信号場と同じである。
 従って、最高速度は新発田〜北新発田(信)間及び南村上(信)〜村上間130km/h、北新発田(信)〜南 村上(信)間160km/hとする。

 防風柵は橋桁強化も含めて5億円/kmと仮定して、渡河部や築堤も含めて突風のおそれの強い区間に設置する ものとする。すると計6km、30億円。

 ……が、詳細を掲げる前に算定結果を述べると、以上の方針で改良を行った場合、新発田〜村上間無停車で あっても中条・坂町停車であっても、130km/hと160km/hの場合の差は1分台に過ぎないことが導かれた。単複線 境界駅での減速が響き、130km/h超走行の効果を十分に発揮できないのである。また、一線スルーの配線で あっても高速通過の為に分岐器はノーズ可動式であることが望ましく、130km/h超走行区間に於ける本線上の 分岐器を全て交換することが求められよう。
 但し、あくまで問題は構内配線と分岐器であり、ことこの区間に限ればカントさえ十分なら130km/h維持を 阻む曲線勾配は現状でも村上手前を除いて軌道中心線上に存在しない。
 このことより、更に現行の単線区間を複線化する場合についても検討した。この場合、先の線形改良と 合わせて160km/h維持も可能となる。
 こちらは現行通りの単線区間を残した場合の130km/hと比べ無停車で3分弱の短縮となり、余裕の取り方の 問題に留まらない程度の効果は窺える。しかし、複線化、一線スルー化、踏切対策合わせて100億を超えるだろう 費用を投じる効果としては首を傾げたくなるものである。
 従って、この区間については、検討委員会の方針は特別な財源がない中での対応として理に適ったもので あるといえる。



○村上〜鶴岡間
・基本方針
 まさに新線が必要な区間である。ここで新幹線事業を活用し、現行整備各線に比べ設計速度を 抑え気味にした高速新線を建設する。但し、完全新線ではなく部分新線として利用できる部分では既存の 在来線の路盤を流用し、更に小岩川〜あつみ温泉間は例の未成線を活用する。
 なおあつみ温泉〜羽前水沢間に於いては強風による運行規制が高頻度で発生しており、この区間に 於いては適宜防風壁を設置するものとする。そのため、高架橋の強度は予め防風壁自体の重量と強風時の 荷重とを上乗せして設計する必要が生じ、やや高価となることは否めない。貨物併用の為勾配を きつくすることができないが、できるだけ地上とトンネルとで通すように努めることが必要だろう。また 防風という目的上、掘割も有効である。
 目標速度:ひとまず210km/h
 曲線半径目安:R2500(狭軌C105に於いて制限が 車体傾斜なし225km/h、1度傾斜235km/h、2度傾斜250km/h、標準軌C140に於いて 傾斜なし235km/h、1度傾斜245km/h、2度傾斜255km/h)

・概要
 ここで曲線半径を抑えたのは、あくまで途中駅を既存駅になるべく近づけるためであり、建設コスト抑制は 二の次である。むしろ、ローカル輸送機能を残しつつ並行在来線を廃止することによるランニングコスト削減の ために行うものである。

 小岩川〜あつみ温泉間では例の未成線を活用するため曲線半径が小さくなるが、これは建設費抑制の為には 使わざるを得ないものだろう。尤もR1000〜1600と、既設線の平野部よりも小さい曲線半径であり、更には 在来線用の複線トンネルとして建設されたものなので、できることなら使わずに済ませたいものなのだけれど。

 以上の方針に沿って十分な緩和曲線を取りつつ線を引いた結果、以下の通りとなった。
 建造物または主要道路と地形の関連の都合上、本来不要な勾配を敢えて取った部分もあるが、長くなるので 詳しい説明は割愛する。
現行 駅  名 改良 駅  名 位置等 概要及び駅付近特記事項
新潟から
の実キロ
新津から
の実キロ
駅間
キロ
新潟から
の実キロ
新津から
の実キロ
駅間
キロ
60.7
67.8
72.7
79.6
83.9
88.8
94.1
97.2
102.3
106.7
111.1
117.0
121.4
124.5
130.2
134.7
137.9
140.7
59.4
66.5
71.4
78.3
82.6
87.5
92.8
95.9
101.0
105.4
109.8
115.7
120.1
123.2
128.9
133.4
136.6
139.4
7.1
4.9
6.9
4.3
4.9
5.3
3.1
5.1
4.4
4.4
5.9
4.4
3.1
5.7
4.5
3.2
2.8
村上
間島
越後早川
桑川
今川
越後寒川
勝木
府屋
鼠ヶ関
小岩川
あつみ温泉
五十川
小波渡
三瀬
羽前水沢
羽前大山
西鶴岡(信)
鶴岡
60.7
66.9
71.8
78.4
82.4
87.3
92.5
95.4
100.7
104.7
108.5
114.2
118.0
120.3
125.9
130.4
133.6
136.4
59.4
65.6
70.5
77.1
81.1
86.0
91.2
94.1
99.4
103.4
107.2
112.9
116.7
119.0
124.6
129.1
132.3
135.1
6.2
4.9
6.6
4.0
4.9
5.3
2.8
5.3
4.0
3.8
5.7
3.8
2.3
5.6
4.5
3.2
2.8
村上
間島
越後早川
桑川
今川
越後寒川
勝木
府屋
鼠ヶ関
小岩川
あつみ温泉
五十川
小波渡
三瀬
羽前水沢
羽前大山
西鶴岡(信)
鶴岡
現行
現行位置
山側150m地下
現行位置
ほぼ同位置
現行位置
現行位置
現行
山側300m高架
現行位置
現行
南東100m地下
現行山側腹付
現行位置
現行

構内線形改良

構内線形改良/線形改良の上、既存路盤を下り方400mばかり流用
構内方向変更&線形改良/新津起点現行線86km付近で、300mばかり既存路盤を流用
構内線形改良/線形改良の上、既存路盤を下り方600mばかり流用
構内方向変更

R7沿い、ローソンの向かい付近/踏面標高約25m
構内方向変更、北端を軸に反時計回り
既存路盤を下り方1.7kmばかり流用

庇付きの斜面横腹くり抜き/三瀬まではR3500で短絡
構内線形改良/上り方R3500、下り方R2500

  ※駅位置は実際には1m単位で計算しているが、四捨五入して0.1kmオーダーに丸めてある。

 新設区間は村上〜間島間交直セクションの下り方鉄橋から、羽前水沢上り方まで。



○鶴岡〜酒田間
・基本方針
 比較的人家の多い平野部なので、速度向上はほどほどに。
 但し安定運行のためには防風柵・防風壁を要する。
 目標:160km/h




○酒田〜秋田間
 旅客需要が特に少ない区間ではあるが、貨物には必要である。従って区間内全線に於いて、貨物 本則で120km/h出せる線形(R1200以上)を確保できることが求められる。
 理想はともかく、貨物の安定高速輸送の確保こそがこの区間を改良することの意義であり、建設費節減を 求める限りは旅客に皺寄せが生じるのも致し方ない。
 目標:130〜160km/h



○秋田〜東能代間
 秋田市街地を除けば比較的好線形であり、線形の問題は数箇所の曲線改良で済ませれば良いだろう。
 可能なら踏切撤去で160km/h化。その際、大型車が通る所は全て道路側を立体化することが 求められる。
 目標速度:160km/h




○東能代〜大鰐温泉間
 白神山地に悪影響を及ぼすことは避けねばならず、現行線から北西側へはなるべく動かないように 図るべきである。下手に現行線を改良するよりも、思い切って新線に切り替えるほうが好ましいと 思われる部分も少なくない。
 目標:210km/h



○大鰐温泉〜弘前間
 弘前はどのみち旅客全停車なので、弘前付近の線形改良は行わない。但し、進入出発速度を引き上げるために 分岐器制限の緩和は要検討。
 その他についても用地買収を伴う線形改良は行わず、カント改良及び路盤強化によって走行速度の向上を 図るに留める。
 目標:130〜160km/h




○弘前〜青森間
・基本方針
 大釈迦峠区間と青森市街地内を除いて非常に線形が良く、天候の影響も小さいので峠越え区間を除いて線形は 原則そのままでも良いだろう。単純に線形からすればそもそもこの区間が現状95km/hに制限されていること自体 おかしいのだが、現状では数分縮めたところで需要にさしたる影響を及ぼさないという費用対効果からの 判断なのだろうか。

 この区間は市街地または住宅地の只中を貫く部分が多く、高速走行の為の新規用地確保は困難である。むしろ、連続 立体交差化事業として無理のない範囲で線形改良を行うほうが得策だろうか。
 なお、改良区間は立体交差化及び踏切統廃合の支障が少ない新青森までとする。
 新青森〜青森間については、仮に連続立体交差化事業の適用を試みようとも上を跨いでいる幹線道路が複数 存在しており非常に困難なこと、立体化した際には青森信号所及び青森車両センターへの入出線用配線が更に 複雑になりかねないこと、また新青森全停車とすれば新青森〜青森間は僅か数分の都市内移動に過ぎず所要時分 短縮による効果が大きいとは考え難いことから、単なる新幹線鉄道直通線に留めておく。
 目標:130〜160km/h
 曲線半径目安:R1200(狭軌C105に於いて制限が 車体傾斜なし155km/h、1度傾斜165km/h、2度傾斜170km/h、標準軌C140に於いて 傾斜なし160km/h、1度傾斜170km/h、2度傾斜175km/h)

・概要
 大釈迦〜津軽新城間を除き、駅間の線形には一切手を加えない。弘前〜新青森間では一線スルー化を 行うと共に適宜立体交差化を図り、または踏切対策を行うことで速度向上を目指す。
 一方、大釈迦〜津軽新城間には余裕を取って最小R1600の新線を建設する(R1200でも工事区間は200m程度短くなるだけ である)。現行線鶴ヶ坂上り方1.8kmの水準点(H=53.2m)より更に0.2km上り方から、下り方に向けR1600で約1.2km左に 回り、直線に移って現鶴ヶ坂へと直進する。そのまま直進した上で、現行線鶴ヶ坂下り方1.3km付近からR1600で 約0.4km左に回り、同下り方1.7km地点で現行線に合流する。
 更にR800を緩和するため、現行線鶴ヶ坂下り方2.2km地点からR1600で約0.8km右に曲がり、同下り方3.0km地点で 現行線に合流する。
 計、新設区間延長2.4km(単線)。
 なおこのルートは、障害となる建築物が地形図上は存在しない。

 また前述の通り、新青森〜青森間での立体交差化は見送るものとする。更にこの場合、津軽新城〜新青森 間で130km/h超の走行を望むのは困難である。従って、最高速度は弘前〜津軽新城間160km/h、津軽新城〜新青森 間130km/h(線形の都合上実質110km/h)、新青森〜青森間95km/h(現状まま)とする。




後半部はこちらへ。




○履歴
 立案:2007/12
 着手:2008/1/12
 新潟〜村上間ルート策定:3/31
 弘前〜青森間ルート策定:8/5
 新潟〜村上間・弘前〜青森間(下り)特急基準時分:8/24
 新潟〜村上間・弘前〜青森間(上り)特急基準時分:9/22
 以上を調整・公開:9/23


参考資料:○ルート・線路条件等参考
      ・日本鉄道名所2東北線・奥羽線・羽越線(小学館、1986年)
      ・日本鉄道名所5中央線・上越線・信越線(小学館、1986年)
      ・25000分の1地形図余目、酒田南部、酒田北部(以上2点 国土地理院、2006年)、坂町(同、2003年)
         新潟北部、新潟南部、水原、松浜、新発田、稲荷岡、中条(以上7点同、2002年)
         村上、笹川、勝木、鼠ヶ関、羽黒山(以上5点同、2000年)、鶴岡、藤島(以上2点同、1998年)
         柏尾、浪岡、大釈迦、青森西部(以上4点同、1996年)、弘前、黒石(以上2点同、1995年)
         温海(同、1990年)、三瀬(同、1988年)

      ・5万分の1地形図笹川、勝木(同、2004年)、鶴岡(同、2001年)、酒田(同、2000年)
         村上(同、1998年)、三瀬(同、1993年)、温海(同、1990年)

      ・20万分の1地勢図青森(同、2006年)、新潟、酒田、秋田、弘前(同、2005年)
         新庄(同、2004年)、村上(同、2001年)

      ・県別マップル青森県、秋田県、山形県、新潟県(以上4点昭文社、2008年)
      ・国鉄技第157号 鉄道に関する技術上の基準を定める省令等の解釈基準について
       (国交省鉄道局長通知、2002年)
      ・昭50環告46、新幹線鉄道騒音に係る環境基準について(環境庁告示、1975年)(環境基準測定方法)
      ・羽越本線の高速化と地域活性化に 関する検討委員会報告書 3 高速化改良の検討
        (新潟県交通政策局交通政策課、2007年)
      ・JR時刻表、Mapion、GoogleMap
       etc.
     ○ダイヤ資料
      ・JR時刻表、
      ・ANA時刻表2008年4〜5月号、
      ・JAL時刻表2008年4/1〜5/6号、
      ・庄内交通サイト空港リムジンバス時刻、
     ○車輌資料・時刻等
      ・小型軽量・高出力 主回路機器の開発
       『JR EAST Technical Review』No.14(安井義隆・古田良介、2005年)

      ・運転理論改訂版(運転理論研究会編著、2002年)
      ・運転理論直流交流電気機関車〔第21版〕(交友社編、1997年)
      ・世界の高速鉄道(佐藤芳彦、1998年)
      ・新幹線テクノロジー(同、2004年)
      ・新幹線はもっと速くできる(川島令三、1999年)
      ・国鉄技第157号 鉄道に関する技術上の基準を定める省令等の解釈基準について
       (国交省鉄道局長通知、2002年)
      ・2006JR貨物時刻表、
      ・自筆ノート、
       etc.
      (以上敬称略)



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